【問229】知的財産管理技能検定3級 練習問題|営業秘密保護契約の重要条項
不正競争防止法 問12/15難易度B(標準)
問題文
製造技術の営業秘密を他企業に提供する際、秘密保持契約に盛り込むべき条項として最も重要なものはどれか。
- 1.提供相手企業の経営状況と信用調査の結果による履行能力の判定。
- 2.秘密情報の定義と使用目的の限定及び保持期間を明記する条項。
- 3.不正競争防止法上の刑事罰の内容を契約書に列挙する条項。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
相手方の信用調査は契約締結前のスクリーニングの問題であり、契約書に置く条項ではない。重要な実務ではあるが、守秘義務の範囲を画する条項ではない。
選択肢2 → ✅正解
「何が秘密情報か」「どの目的でのみ使えるか」「いつまで保持し、いつ返還・廃棄するか」を定めることが中核である。経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」の秘密保持契約ひな形も、秘密情報の特定・目的外使用の禁止・契約終了時の返還または廃棄を柱としている。
選択肢3 → ❌誤り
営業秘密侵害罪は不正競争防止法21条が定めており、契約書に書かなくても成立する。契約で重ねて列挙しても守秘義務の範囲を確定する働きはなく、最重要条項とはいえない。
背景知識
技術情報を社外に出す契約では、秘密情報の範囲が特定されていないと、紛争時に「どの情報について守秘義務を負うのか」を立証できない。経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」が示す秘密保持契約のひな形でも、秘密情報の特定、目的外使用の禁止、有効期間と契約終了時の返還・廃棄が中核条項として置かれている。これらが曖昧なままでは契約自体が機能しない。
学習アドバイス
秘密保持契約の実務を問う問題。「秘密情報の特定」「目的外使用の禁止」「期間と返還・廃棄」の3点セットを型として覚えておくと、条項の優先順位を問う出題に対応できる。
まとめ
- 秘密情報の定義(特定)は具体的かつ客観的に示す必要がある。
- 使用目的を当該取引の目的に限定し、目的外使用を禁止する。
- 有効期間と契約終了時の返還・廃棄を定め、終了後の紛争を防ぐ。