【問228】知的財産管理技能検定3級 練習問題|育成者権と実用新案権の国際保護
実用新案法・種苗法 問20/20難易度C(難しい)
問題文
日本で権利を得た考案と植物の新品種について、外国で保護を受ける方法の説明として、最も適切なものはどれか。
- 1.実用新案は外国での保護制度がなく、日本国内でのみ権利が認められている。
- 2.実用新案はPCTによる国際出願を利用できるが、育成者権にはこの制度がない。
- 3.育成者権はUPOV条約に出願すれば、加盟国すべてで自動的に効力が生じる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
実用新案も外国で権利化できます。パリ条約第4条の優先権を主張して各国に直接出願する方法(基礎出願から12か月以内)のほか、PCTに基づく国際出願を利用する方法があります。
選択肢2 → ✅正解
PCTに基づく国際出願は実用新案も対象とし、国内移行の際に実用新案として保護を求めることができます。一方、植物の新品種にはPCTのような国際出願制度がなく、UPOV条約の枠組みの下で保護を受けたい国ごとに出願し登録を受ける必要があります。
選択肢3 → ❌誤り
UPOV条約は加盟国が国内法で新品種を保護することを求める枠組みであり、条約自体が出願を受け付ける仕組みはありません。海外で品種登録を受けていなければ、その国で育成者権を主張することはできません。
背景知識
産業財産権と植物新品種では、国際的な権利取得の道具立てが異なります。実用新案は、パリ条約の優先権を用いた各国への直接出願に加え、PCTに基づく国際出願という一括手続が使えます。これに対し植物の新品種にはPCTに相当する国際出願制度がなく、UPOV条約の下で保護を求める国ごとに出願・登録する必要があります。ただしUPOV加盟国間では他国の審査結果を活用する審査協力の枠組みが整備されつつあり、農林水産省も各国との協力覚書の締結を進めています。
学習アドバイス
権利は国ごとに成立するという属地主義を出発点に、国際出願制度があるのはどの権利かを整理して覚えましょう。
まとめ
- 実用新案はパリ条約優先権とPCT国際出願の両方が使える
- 植物新品種にはPCTのような国際出願制度がない
- 育成者権は保護を受けたい国ごとに出願・登録が必要