【問210】知的財産管理技能検定3級 練習問題|PCT出願による優先権の確保
国際条約 問18/20難易度A(易しい)
問題文
特許協力条約(PCT)に基づく国際出願を行った場合の効果として、正しいものはどれか。
- 1.PCTに加盟する全ての締約国において、自動的に特許権が発生する
- 2.国際調査報告に示された見解に、各指定国の審査官が拘束される
- 3.全指定国への出願とみなされ、国内移行は優先日から30か月
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
PCTは手続を一本化する制度にすぎない。特許権を得るには各指定国での国内移行と審査を経る必要がある。
選択肢2 → ❌誤り
国際調査・国際予備審査の見解は予備的かつ拘束力のないものであり(第33条(1))、特許性の最終判断は各指定官庁が行う。
選択肢3 → ✅正解
国際出願は国際出願日から各指定国における正規の国内出願の効果を持ち(第11条(3))、国内移行の期限は原則として優先日から30か月である(第22条(1))。
背景知識
PCTは1970年に採択され、複数国への特許出願手続を一本化する国際協力の枠組みである。一通の国際出願で全締約国を指定でき、国際出願日が各指定国での出願日として扱われる。国際調査報告により先行技術の見通しを得たうえで、原則として優先日から30か月以内にどの国へ移行するかを決められる。この猶予は出願戦略と費用配分を考える時間を出願人に与えるものであり、権利そのものを与える制度ではない。
学習アドバイス
30か月の起算点は「国際出願日」ではなく「優先日」である点が頻出の引っかけ。PCTは権利取得ではなく手続の一本化と猶予の制度だと整理しておく。
まとめ
- 国際出願は各指定国での正規の国内出願と同じ効果を持つ(第11条(3))
- 国内移行の期限は原則として優先日から30か月(第22条(1))
- 特許権の付与は各指定国の審査によるもので、PCT自体は権利を与えない