【問205】知的財産管理技能検定3級 練習問題|PCT国際予備審査制度の役割
国際条約 問15/20難易度C(難しい)
問題文
特許協力条約(PCT)の国際予備審査を請求することにより、出願人が国際段階で得られるものはどれか。
- 1.各国の国内段階を経ずに特許権が自動的に成立する
- 2.指定国すべてで有効な国際特許が国際段階で発生する
- 3.新規性・進歩性等について拘束力のない予備的見解を得られる
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
国際予備審査の結論は各国官庁を拘束しない。権利は各国の国内段階に移行し、その国の審査を経て登録されて初めて発生する。
選択肢2 → ❌誤り
PCTは出願手続を一本化する制度であり、「国際特許」という権利は存在しない。国際段階で特許権が発生することはない。
選択肢3 → ✅正解
PCT第33条は、国際予備審査の目的を、発明が新規性・進歩性・産業上の利用可能性を有すると認められるかについて予備的かつ拘束力のない見解を示すことと定める。各国の国内審査を予測する材料になる。
背景知識
PCTの国際予備審査は、出願人の請求により行われる任意の手続である。実施するのはWIPO国際事務局ではなく、各国・地域の官庁が務める国際予備審査機関(PCT第32条。日本では特許庁)である。PCT第33条は、その目的を、請求の範囲に記載された発明が新規性・進歩性・産業上の利用可能性を有すると認められるかについて予備的かつ拘束力のない見解を示すことと定めている。国際調査の段階でも特許性に関する見解書が作成されるが、国際予備審査では第34条に基づく補正や反論を踏まえて改めて見解が示される点に意義がある。
学習アドバイス
国際予備審査は「出願人の請求による任意手続」「行うのは国際予備審査機関(WIPOではない)」「拘束力のない見解にすぎない」の3点で押さえる。
まとめ
- 国際予備審査は出願人の請求による任意の手続
- 新規性・進歩性・産業上の利用可能性について拘束力のない見解が示される
- 権利は各国の国内段階に移行して初めて発生する