【問204】知的財産管理技能検定3級 練習問題|ベルヌ条約とローマ条約の相互関係
国際条約 問14/20難易度C(難しい)
問題文
ベルヌ条約(著作権)とローマ条約(著作隣接権)の間に規定されている条約間の関係について、正しい説明はどれか。
- 1.ローマ条約はベルヌ条約を廃止して、より包括的な著作権制度に統一した
- 2.ベルヌ条約とローマ条約は相反する規定を持ち、加盟国は一方を選択して適用する
- 3.ローマ条約はベルヌ条約を補完する形で著作隣接権の国際保護を追加している
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
ローマ条約はベルヌ条約を廃止していない。ローマ条約第1条は著作権の保護に影響を及ぼさないと明記しており、両条約は並存する。
選択肢2 → ❌誤り
両条約は保護の対象となる権利者が著作者と実演家等で異なるため相反せず、いずれか一方を選択して適用する仕組みでもない。多くの国が両方に加盟している。
選択肢3 → ✅正解
ベルヌ条約は著作者の権利を規定し、ローマ条約は1961年に採択(発効は1964年)されて実演家・レコード製作者・放送機関の権利を保護する。ローマ条約第1条は、この条約による保護が著作権の保護に変更を加えず影響も及ぼさないと定めており、補完関係が明示されている。
背景知識
1961年にローマで採択されたローマ条約(実演家等保護条約)は、著作隣接権(実演家の権利、レコード製作者の権利、放送機関の権利)の保護を国際化した条約で、発効は1964年、日本については1989年10月26日である。ローマ条約第1条は、この条約による保護が文学的及び美術的著作物の著作権の保護に影響を及ぼさないことを定めている。ベルヌ条約が著作者の権利を、ローマ条約が著作隣接権を担うことで、著作権と著作隣接権の二層構造が国際的に形成されている。
学習アドバイス
ベルヌ条約とローマ条約は異なる権利者(著作者 vs. 実演家等)を対象としており、補完関係であることを理解することが重要。
まとめ
- ベルヌ条約は著作権の国際保護を定める
- ローマ条約は著作隣接権の国際保護を追加する(1961年採択・1964年発効)
- ローマ条約第1条により両条約は補完的に並存する