【問203】知的財産管理技能検定3級 練習問題|TRIPS協定と最低基準の設定
国際条約 問13/20難易度B(標準)
問題文
WTO TRIPS協定の役割として、各加盟国の知的財産保護に関して最も適切な説明はどれか。
- 1.国際的な知的財産権を一元化し、各国の法制度を統一する
- 2.知的財産権保護の最低基準を設定し、全加盟国がこれを達成すること
- 3.知的財産権の保護を全廃止し、世界的な知識の自由化を進める
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
TRIPS協定は最低基準を設定するもので、各国の法制度を完全に統一するものではない。権利は各国ごとに成立する。
選択肢2 → ✅正解
TRIPS協定は加盟国が遵守すべき最低基準を定め、特許権の存続期間(第33条)、著作権の保護期間(第12条)、商標権等について統一的な保護水準を要求している。
選択肢3 → ❌誤り
TRIPS協定は知的財産権の保護水準の確保を目的としており、保護の廃止を目指すものではない。
背景知識
1995年に発効したTRIPS協定は、ウルグアイ・ラウンドの成果として、世界貿易機関(WTO)の枠組みの中で知的財産の国際的な最低基準を定めた。第1条1は、加盟国がこの協定の要求より広範な保護を国内法令で実施できるが、その義務は負わないと規定している。つまり「これ以上は守れ」という下限を示す協定である。これにより先進国と発展途上国の間の保護水準の差が縮小した。
学習アドバイス
TRIPS協定は「最低基準」であり、各国がそれ以上の保護を提供することを禁じるものではない(第1条1)。
まとめ
- TRIPS協定は知的財産保護の国際最低基準を定める
- 特許・著作権・商標等の保護期間や範囲に最低基準を設定
- 加盟国はこれを上回る保護を実施することもできる