【問180】知的財産管理技能検定3級 練習問題|標準必須特許
知財実務 問20/40難易度C(難しい)
問題文
通信機器メーカーII社は、国際標準規格に採用された特許(標準必須特許)を保有している。II社がFRAND宣言を行った場合について、最も適切な選択肢はどれか。
- 1.公正・合理的・非差別的な条件でライセンスする義務を負う。
- 2.FRAND宣言を行った特許は無償で使用できる。
- 3.FRAND宣言により特許権は消滅する。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
FRAND(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory)宣言とは、標準化団体に対して、特許権者が当該標準を実施する者に対し公正、合理的かつ非差別的な条件でライセンスすることを表明するものです。
選択肢2 → ❌誤り
FRAND宣言は有償ライセンスを前提としており、無償化するものではありません。
選択肢3 → ❌誤り
FRAND宣言により特許権は消滅しません。
背景知識
標準必須特許(SEP: Standard Essential Patent)とは、特定の標準規格を実施するために回避できない特許を指します。通信、映像圧縮、無線技術などの分野で多数存在します。標準化団体は、SEPの権利者に対しFRAND条件でのライセンスを宣言させる制度を採用しています。これは標準技術の普及と特許権者の利益のバランスを取るためです。近年、FRAND宣言の解釈、ロイヤルティ水準、差止請求権の制限などを巡る訴訟が世界各国で発生しており、特にアップル対サムスン、ファーウェイ対中興通訊などの国際的訴訟が有名です。日本でもFRAND宣言と差止請求権の制限に関する判例が形成されています。
学習アドバイス
標準必須特許とFRAND宣言は現代知財実務の重要論点です。基本概念を押さえておきましょう。
まとめ
- SEPは標準規格実施に必須の特許
- FRAND宣言は公正・合理的・非差別的ライセンス義務
- 差止請求権が制限される場合もある