【問175】知的財産管理技能検定3級 練習問題|差止請求と損害賠償請求
知財実務 問15/40難易度B(標準)
問題文
Z社はAA社から特許権侵害で提訴された。AA社の請求について、最も適切でない選択肢はどれか。
- 1.差止請求には故意または過失は要件とならない。
- 2.損害賠償請求には侵害者の故意または過失が要件となるが、特許権侵害では過失が推定される。
- 3.損害賠償請求には侵害者の悪意が必須であり、過失では請求できない。
解説
正解
正解は選択肢3です(最も適切でない選択肢)。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解(適切)
差止請求(特許法第100条)は侵害行為自体に対する請求であり、侵害者の故意・過失は要件ではありません。
選択肢2 → ✅正解(適切)
損害賠償請求は民法第709条を根拠としますが、特許法第103条により侵害者の過失が推定されるため、権利者が過失を立証する必要はありません。
選択肢3 → ❌誤り(不適切)
損害賠償請求は故意または過失で足ります(民法第709条)。悪意は不要です。
背景知識
特許権侵害に対する民事的救済には、主に差止請求と損害賠償請求があります。差止請求(特許法第100条)は現在行われている侵害や今後行われる恐れのある侵害の停止を求めるもので、故意・過失は不要です。侵害品の廃棄や侵害に用いた設備の除却も請求できます。損害賠償請求は民法第709条の不法行為責任に基づきますが、特許法第103条により過失の推定規定があり、特許権者の立証負担が軽減されています。また特許法第102条では損害額の算定規定も設けられており、実務上活用されています。
学習アドバイス
差止請求と損害賠償請求の要件の違いは頻出です。特に特許法103条の過失推定規定は覚えておきましょう。
まとめ
- 差止請求は故意・過失不要
- 損害賠償は過失でも足りる
- 特許法103条により過失推定