【問176】知的財産管理技能検定3級 練習問題|先使用権
知財実務 問16/40難易度B(標準)
問題文
BB社は、独自に開発した技術を用いて自社工場で製品を製造・販売していた。その後、CC社が同一技術について特許を取得し、BB社を特許権侵害で警告した。BB社の対応について、最も適切な選択肢はどれか。
- 1.BB社はCC社の特許出願時に既に事業を実施または準備していた場合、先使用権を主張できる可能性がある。
- 2.CC社に特許権がある以上、BB社は先行して実施していても一切実施できない。
- 3.先使用権は届出によって発生するため、事前の特許庁への届出がなければ主張できない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
特許法第79条により、特許出願時に善意で日本国内で発明を実施していた者、または事業の準備をしていた者は、その実施範囲内で通常実施権(先使用権)を有します。
選択肢2 → ❌誤り
先使用権があれば、特許権者の存在にかかわらず実施を継続できます。
選択肢3 → ❌誤り
先使用権は法律上当然に発生する権利(法定通常実施権)であり、届出や登録は不要です。
背景知識
先使用権(特許法第79条)は、特許出願前から独自に発明を実施していた者を保護する制度です。成立要件は(1)他人の特許出願に係る発明の内容を知らないで自ら発明したか、またはその発明者から知得したこと、(2)特許出願の際に日本国内で事業を実施しているか事業の準備をしていること、です。先使用権の範囲は「実施または準備していた発明及び事業の目的の範囲内」に限定されます。先使用権を主張する場合、出願時点の実施や準備の事実を立証する必要があり、研究ノート、設計図面、製造記録、受注記録等の証拠保全が重要です。
学習アドバイス
先使用権は実務でも重要な制度です。成立要件、立証資料、実施範囲の制限について押さえましょう。
まとめ
- 先使用権は法定通常実施権
- 出願時の実施・準備が成立要件
- 届出不要だが立証資料の保全が重要