【問174】知的財産管理技能検定3級 練習問題|特許権侵害への対応
知財実務 問14/40難易度B(標準)
問題文
X社は自社の特許権をY社が侵害していることを発見した。知財担当者庚が取るべき初期対応について、最も適切な選択肢はどれか。
- 1.直ちにY社の事業所を訪問し、製品を差し押さえる。
- 2.事実関係や特許の有効性を調査してから警告する。
- 3.警告書を送付せず、いきなり刑事告訴を行う。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
民事自力救済は原則として禁止されており、裁判所の手続によらずに製品を差し押さえることはできません。
選択肢2 → ✅正解
特許権侵害への対応では、まず事実関係の確認と法的検討が不可欠です。侵害の該当性(技術的範囲への属否)、特許の有効性、公知技術の抗弁、先使用権の可能性などを調査したうえで対応方針を決定します。
選択肢3 → ❌誤り
警告書送付前の調査や交渉機会を与えないいきなりの刑事告訴は実務的でも手続的でも通常適切ではありません。
背景知識
特許権侵害への対応は段階的に行うのが通常です。第一段階は事実関係の調査で、対象製品の構造分析、特許クレームとの対比、Y社の主張予想などを行います。第二段階は警告書送付で、侵害の指摘、停止要求、交渉の打診を行います。第三段階は交渉・ライセンス協議です。それでも解決しない場合は第四段階として民事訴訟(差止請求、損害賠償請求)や仮処分申立てを行います。刑事告訴は悪質性が高い場合に行われます。警告書送付時には無効理由の有無も慎重に確認し、虚偽の権利行使とならないよう注意が必要です。
学習アドバイス
侵害対応の段階的プロセスは実務の基本です。事前調査の重要性、警告書送付の意義、裁判手続の位置付けを理解しましょう。
まとめ
- 侵害対応はまず事実関係と法的検討から
- 警告書送付前に無効理由も確認
- 段階的対応が実務の基本