【問173】知的財産管理技能検定3級 練習問題|共有特許権の自己実施
知財実務 問13/40難易度A(易しい)
問題文
大学V研と企業W社は共同研究により発明を完成させ、両者の共有名義で特許権を取得した。W社が自社工場で当該発明を実施しようとする場合、最も適切な選択肢はどれか。
- 1.契約に別段の定めがない場合、W社は大学V研の同意なく自己実施できる。
- 2.W社が自己実施するには、共有者V研の同意が必要である。
- 3.共有特許権は自己実施も一切認められない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
特許法第73条第2項により、特許権が共有の場合、契約で別段の定めをした場合を除き、各共有者は他の共有者の同意なくその特許発明を実施することができます。
選択肢2 → ❌誤り
ライセンス許諾や持分譲渡と異なり、自己実施には他の共有者の同意は不要です。
選択肢3 → ❌誤り
共有特許権の自己実施は法律上認められています。
背景知識
大学と企業の共同研究では、成果発明の特許権を共有することが多くあります。この場合、大学は自ら製造・販売することがないため、共有特許権の扱いが問題となります。企業は自由に自己実施できますが、大学は実施機会がないため、共同研究契約で「不実施補償」として、企業が自己実施する場合に大学へ一定の補償金を支払う条項を設けることが一般的です。また、大学が第三者にライセンスする場合は企業側の同意が必要となるため、事前に包括的同意や優先交渉権の条項を定めておくことが実務上重要となります。
学習アドバイス
共有特許権の自己実施と他者への許諾の扱いの違いは頻出です。特に大学との共有では不実施補償という実務慣行も押さえましょう。
まとめ
- 共有特許権の自己実施は原則自由
- 契約で制限することは可能
- 大学との共有では不実施補償が実務慣行