【問172】知的財産管理技能検定3級 練習問題|共有特許権
知財実務 問12/40難易度A(易しい)
問題文
S社とT社は共同研究の成果として発明を共有し、共同で特許権を取得した。T社がU社に対し当該特許権について通常実施権を許諾しようとする場合、最も適切な選択肢はどれか。
- 1.T社は自らの持分について自由にU社へ通常実施権を許諾できる。
- 2.T社がU社に通常実施権を許諾するには、共有者S社の同意が必要である。
- 3.共有特許権はライセンスすることが法律上禁止されている。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
特許法第73条第3項により、共有者は他の共有者の同意がなければ、その特許権について専用実施権または通常実施権を許諾することができません。
選択肢2 → ✅正解
特許法第73条第3項の規定により、共有特許権のライセンスには他の共有者全員の同意が必要です。これは共有者の事業活動やライセンシー選定に大きな影響を与えるためです。
選択肢3 → ❌誤り
共有特許権のライセンス自体は禁止されておらず、他の共有者の同意があれば可能です。
背景知識
特許法第73条は共有特許権に関する重要な規定です。第1項で持分譲渡や質権設定には他の共有者の同意が必要、第2項で各共有者は契約に別段の定めがない限り自由に自己実施が可能、第3項で専用実施権設定や通常実施権許諾には他の共有者の同意が必要と定めています。これは、共有特許権ではライセンシーの加入により実質的な競争相手が増え、他の共有者の実施利益が大きく減少するため、他の共有者を保護する趣旨です。共同研究契約では予めライセンス方針を定めておくことが実務上重要です。
学習アドバイス
共有特許権に関する特許法73条の3つの項目は試験頻出です。自己実施は自由、ライセンスと持分譲渡は共有者の同意が必要という区分を覚えましょう。
まとめ
- 共有特許権のライセンスには共有者全員の同意が必要
- 自己実施は契約に別段の定めなければ自由
- 持分譲渡・質権設定にも共有者の同意が必要