【問170】知的財産管理技能検定3級 練習問題|職務発明の相当の利益
知財実務 問10/40難易度C(難しい)
問題文
P社の研究員己は職務発明を行い、会社は特許を取得した。P社は発明規程に基づき相当の利益を決定しようとしている。相当の利益の決定手続について、最も適切な選択肢はどれか。
- 1.使用者が一方的に決定すればよく、従業者との協議は不要である。
- 2.経済産業大臣の指針を参照し、協議の状況等を考慮した合理的な手続によるべきである。
- 3.相当の利益の額は労働基準監督署が決定する。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
特許法第35条第5項により、相当の利益の内容決定にあたっては、協議の状況、基準の開示、意見聴取の状況等を考慮して合理的であるかが判断されます。
選択肢2 → ✅正解
平成27年改正特許法第35条第6項に基づき経済産業大臣が定めた「職務発明ガイドライン」を参照し、従業者との協議、基準の開示、意見聴取などを経た合理的な手続によって決定することが求められます。
選択肢3 → ❌誤り
労働基準監督署は相当の利益の決定機関ではありません。最終的には裁判所が判断する問題です。
背景知識
平成27年特許法改正により、相当の対価から「相当の利益」へ呼称が変更され、手続規定が明確化されました。経済産業省は「特許法第35条第6項に基づく発明を奨励するための相当の金銭その他の経済上の利益について定める場合に考慮すべき使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況等に関する指針」を策定しています。手続が合理的と判断されれば、協議で定めた額が相当の利益とされますが、不合理と判断されると裁判所が独自に算定します。過去にはオリンパス事件、日立金属事件、青色LED事件など、高額の相当対価が認められた事例もあります。
学習アドバイス
相当の利益の決定手続は3級でも問われます。経済産業大臣ガイドラインの存在と、協議・開示・意見聴取の3要素を覚えましょう。
まとめ
- 経済産業大臣ガイドラインあり
- 協議、基準開示、意見聴取の合理的手続が必要
- 不合理と判断されれば裁判所が算定