【問168】知的財産管理技能検定3級 練習問題|職務著作
知財実務 問8/40難易度C(難しい)
問題文
ソフトウェア開発会社M社の従業員戊は、業務として新しい会計ソフトを開発した。特段の契約や就業規則の定めがない場合、著作権の帰属について最も適切な選択肢はどれか。
- 1.プログラムの著作物について、職務上作成したものであれば従業員戊個人に著作権が帰属する。
- 2.プログラムの著作物については、職務上作成された場合、法人M社が著作者となり著作権も帰属する。
- 3.プログラムの著作物は著作権法の保護対象外であるため、誰にも権利は帰属しない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
プログラムの著作物については職務著作の特別規定があり、原則として法人が著作者となります。
選択肢2 → ✅正解
著作権法第15条第2項により、法人等の発意に基づき法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、契約等に別段の定めがない限り法人等となります。プログラム著作物の場合、一般著作物と異なり「法人名義で公表」要件は不要です。
選択肢3 → ❌誤り
プログラムも著作物として保護されます(著作権法第10条第1項第9号)。
背景知識
職務著作制度(著作権法第15条)は、法人等の業務として作成された著作物について法人を著作者とみなす制度です。一般の著作物では「法人名義での公表」が要件となりますが、プログラムの著作物については第15条第2項で特別に公表名義要件が不要とされています。これはプログラムが社内システムなど公表されない形で利用されることが多いためです。職務著作が成立すると、著作者人格権も著作財産権も全て法人に帰属し、従業者個人には原則として権利が発生しません。
学習アドバイス
職務発明(特許法)と職務著作(著作権法)の違いは重要論点です。特にプログラム著作物の特則は頻出です。
まとめ
- 職務著作は法人等が著作者となる制度
- プログラム著作物は公表名義要件不要
- 従業者には著作者人格権も発生しない