【問163】知的財産管理技能検定3級 練習問題|通常実施権の特徴
知財実務 問3/40難易度A(易しい)
問題文
電子部品メーカーD社は、E社の特許について通常実施権の許諾を受けた。D社の知財担当者丙の発言のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.通常実施権は独占的なものであり、他社にライセンスされることはない。
- 2.通常実施権は登録しなければ、特許権が第三者に譲渡された場合に新特許権者に対抗できない。
- 3.通常実施権は登録なしでも、特許権が第三者に譲渡された場合に新特許権者に対抗できる。
解説
正解
正解は選択肢3です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
通常実施権は独占的とは限らず、特許権者は複数の者に重ねて許諾することができます。独占的通常実施権と非独占的通常実施権があります。
選択肢2 → ❌誤り
平成23年改正前は登録が対抗要件でしたが、改正後は登録なしでも当然対抗力を持ちます。
選択肢3 → ✅正解
特許法第99条により、通常実施権は登録がなくても、特許権または専用実施権を取得した者その他第三者に対抗することができます(当然対抗制度)。
背景知識
通常実施権の当然対抗制度は平成23年特許法改正で導入されました。改正前は通常実施権を第三者に対抗するためには登録が必要でしたが、実務上登録されることはほとんどなく、特許権譲渡により実施権者の地位が不安定になる問題がありました。改正により、通常実施権の発生時期が特許権譲渡前であれば、登録なしで新特許権者に対抗できるようになりました。これによりライセンシーの保護が大幅に強化されました。
学習アドバイス
通常実施権の当然対抗制度は重要論点です。登録が必要な専用実施権と対比して覚えると効果的です。
まとめ
- 通常実施権は登録不要で当然対抗力あり
- 複数者への重複許諾が可能
- 独占的・非独占的の種類がある