【問162】知的財産管理技能検定3級 練習問題|職務発明の対価
知財実務 問2/40難易度A(易しい)
問題文
機械メーカーC社の研究員乙は、職務上の研究活動の結果、新しい部品構造を発明した。C社の就業規則には、職務発明について「特許を受ける権利は発明時から使用者に帰属する」旨の定めがある。この場合について、最も適切な選択肢はどれか。
- 1.C社が権利を原始取得するため、乙は一切の金銭的補償を受けることができない。
- 2.乙は使用者から相当の利益(相当の金銭その他の経済上の利益)を受ける権利を有する。
- 3.就業規則での権利帰属の定めは無効であり、乙に権利が帰属する。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
特許法第35条第4項により、使用者に権利が帰属する場合でも、従業者は相当の利益を受ける権利を有します。
選択肢2 → ✅正解
平成27年改正特許法第35条第3項により、契約・勤務規則等の定めで特許を受ける権利を予め使用者に帰属させることができますが、この場合でも従業者は同条第4項に基づき相当の利益を受ける権利を有します。
選択肢3 → ❌誤り
平成27年改正により、予約承継だけでなく原始取得の定めも有効とされています。
背景知識
平成27年の特許法改正で職務発明制度が大きく変更されました。従来は発明者である従業者に原始的に権利が帰属し、契約や勤務規則で使用者に承継させる「予約承継」型でした。改正後は、勤務規則等で定めれば使用者に権利を原始的に帰属させることが可能になりました。ただし従業者保護の観点から、権利帰属に関わらず従業者は「相当の利益」を受ける権利を有します。相当の利益には金銭以外の留学機会やストックオプションなども含まれます。
学習アドバイス
職務発明の論点は頻出です。平成27年改正前後の違い、相当の利益に金銭以外も含まれる点、使用者原始取得制度などを整理しておきましょう。
まとめ
- 職務発明は勤務規則で使用者原始取得が可能
- 従業者は相当の利益を受ける権利を有する
- 相当の利益には金銭以外も含まれる