【問115】知的財産管理技能検定3級 練習問題|先使用権
商標法 問15/20難易度B(標準)
問題文
商標法における先使用権に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 1.他人の出願前から不正競争の目的なく使用し周知となった商標は継続使用できる
- 2.商標の先使用権は登録商標と同一の商品・役務で使用していた場合にのみ認められる
- 3.先使用権が認められるためには、特許庁への出願が必要である
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
商標法32条1項の規定です。他人の商標登録出願前から不正競争の目的なく日本国内で使用していた結果、出願時点で需要者の間に広く認識されている商標については、その業務を継続している限り、その業務の範囲内で継続して使用する権利(先使用権)が認められます。
選択肢2 → ❌誤り
先使用権は同一の商品・役務に限られず、使用商標の範囲内で先使用継続が認められます。要件としては「他人の出願時に周知」であることが必要です。
選択肢3 → ❌誤り
先使用権は法定の権利であり、特許庁への出願や登録は不要です。要件を満たしていれば自動的に発生します。
背景知識
先使用権は登録主義・先願主義の例外として設けられた制度です。長年ビジネスで使用してきた商標について他人が登録を受けた場合でも、一定要件下で使用継続を認めることで事業者の保護を図ります。要件は(1)他人の出願前からの使用、(2)不正競争の目的がないこと、(3)他人の出願時に需要者の間に広く認識されていること(周知)の3点です。「周知」のハードルが高く、全国的な著名性までは不要ですが一定地域での周知性が必要とされます。先使用権が認められると、業務と範囲の継続使用が許されますが、拡張は認められません。
学習アドバイス
先使用権の3要件(出願前使用、不正目的なし、周知性)を暗記しましょう。特許法の先使用権(79条)とは周知性要件が異なる点にも注意です。
まとめ
- 先使用権は商標法32条の規定
- 出願前の使用+不正目的なし+周知性が要件
- 継続使用が認められるが範囲拡張は不可