【問40】知的財産管理技能検定3級 練習問題|均等論
特許法 問40/40難易度C(難しい)
問題文
特許権侵害訴訟において主張される「均等論」に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 1.均等論は特許請求の範囲と完全に同一の物のみが侵害となるとする理論である
- 2.均等論は、請求の範囲と異なる部分があっても侵害となり得るとする理論
- 3.均等論は日本の裁判実務では一切認められていない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
均等論は、特許請求の範囲と一部異なる構成の物について、一定の要件のもとで特許発明の技術的範囲に含めると判断する理論です。完全同一のみとする理論ではありません。
選択肢2 → ✅正解
均等論は、被疑侵害物件が特許請求の範囲の記載と異なる部分があっても、(1)本質的部分でないこと、(2)置換可能性、(3)置換容易性、(4)公知技術との非同一性、(5)特段の事情がないこと、等の要件を満たせば特許発明の技術的範囲に属すると判断する理論です。
選択肢3 → ❌誤り
日本では最高裁判所のボールスプライン事件判決(平成10年2月24日)により、均等論が認められています。
背景知識
均等論は、特許請求の範囲に記載された構成と一部異なる構成の被疑侵害物件についても、一定の要件のもとで特許発明の技術的範囲に属するとして特許権侵害を認める理論です。日本では、最高裁判所平成10年2月24日判決(ボールスプライン事件)が均等侵害の5要件を示しました。要件は(1)相違部分が特許発明の本質的部分ではないこと、(2)相違部分を置換しても特許発明と同一の目的を達成し同一の作用効果を奏すること、(3)置換が当業者にとって特許出願時に容易に想到できたこと、(4)被疑侵害物件が出願時の公知技術と同一又は容易に推考できたものでないこと、(5)被疑侵害物件が意識的除外等の特段の事情がないこと、の5つです。均等論は特許権の保護範囲を適切に確保するための重要な法理です。
学習アドバイス
均等論の5要件(ボールスプライン事件判決)は応用知識として重要です。特許請求の範囲の記載と異なる被疑侵害物件の取扱いに関する論点を理解しましょう。
まとめ
- 均等論はボールスプライン事件判決で確立
- 5要件を満たせば技術的範囲に含まれる
- 特許権の実質的保護に重要な理論