【問198】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|労災保険と労働安全衛生法
関連法規 問38/40難易度C(難しい)
問題文
労働者災害補償保険(労災保険)および労働安全衛生法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.労災保険は使用者が一定割合を負担し、残りは労働者から徴収する。
- 2.業務上の負傷・疾病・障害・死亡について、労災保険給付と並行して使用者に対する民事賠償を求めることもできる。
- 3.労働安全衛生法は労働者の自己責任に基づく安全管理を規定し、使用者の義務はほとんど課されない。
- 4.通勤災害は労災保険の対象外である。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
労働者災害補償保険法第31条等により、労災保険の保険料はその全額を使用者(事業主)が負担します。労働者から徴収することは認められません。
選択肢2 → ✅
労災保険給付を受けることができても、使用者の安全配慮義務違反等により別途生じた損害(慰謝料等労災給付では補填されない損害)については、民事上の損害賠償(債務不履行責任・不法行為責任)を併せて請求できます。労災保険給付と重複する部分は調整されます。
選択肢3 → ❌
労働安全衛生法は使用者(事業者)に対し詳細な義務(健康診断・安全衛生教育・作業環境管理・安全衛生委員会設置等)を課します。労働者の自己責任ではありません。
選択肢4 → ❌
労働者災害補償保険法第7条により、通勤災害(就業のための住居と就業場所の往復における災害等)も労災保険の給付対象です。業務災害とは別類型として給付されます。
背景知識
労災保険は1947年制定で、業務災害・通勤災害に対する給付制度です。労働者を1人でも使用する事業は強制適用となり、保険料は全額事業主負担です。給付には療養補償・休業補償・障害補償・遺族補償・葬祭料・傷病補償年金・介護補償等があります。労災保険給付は無過失責任で迅速ですが、慰謝料は給付対象外のため、別途使用者に対する民事請求が認められます。労働安全衛生法は1972年制定で、安全衛生管理体制の整備、危険防止措置、健康管理、作業環境測定等を使用者の義務として規定します。
学習アドバイス
労災保険の特徴(使用者全額負担・無過失責任・通勤災害含む)、安全配慮義務との関係(両立)、労働安全衛生法の使用者義務を押さえましょう。
まとめ
- 労災保険料は使用者全額負担
- 労災給付と民事賠償は併用可能(調整あり)
- 通勤災害も労災対象(法7条)