【問197】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|民事調停とADR
問題文
民事調停およびADR(裁判外紛争解決手続)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.民事調停は裁判所において行われる手続であり、調停成立時の調停調書は確定判決と同一の効力を有する。
- 2.民事調停は裁判官のみが主宰し、民間人(調停委員)が関与することはない。
- 3.ADR法に基づく認証ADR機関での和解には法的効力がなく、改めて訴訟を提起する必要がある。
- 4.調停は当事者の合意を前提とせず、裁判官の判断によって強制的に紛争を解決することができる。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民事調停法第16条により、調停において当事者間に合意が成立し調書に記載されたときは、その記載は裁判上の和解と同一の効力(=確定判決と同一の効力、民訴法267条)を有します。確定判決と同様、債務名義となります。
選択肢2 → ❌
民事調停法第6条により、調停は裁判官または民事調停官1名と調停委員2名以上で構成される調停委員会が主宰します(簡易な事件では裁判官単独もある)。民間の調停委員が関与する点が特徴です。
選択肢3 → ❌
ADR法(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)に基づく認証ADR機関での和解は、当事者間の合意として民法上の和解契約の効力を有します。和解の内容について時効中断・期間制限の特例も認められます。ただし執行力は別途公正証書化等が必要です。
選択肢4 → ❌
調停は当事者の合意を前提とする手続です。裁判官が当事者の意向を無視して強制的に解決することはできません。合意できない場合は調停不成立となります(民事調停法第14条等)。
背景知識
民事調停は1922年から続く伝統的な紛争解決手続で、裁判官と民間の調停委員(医師・弁護士・地域有識者等)で構成される調停委員会が当事者間の話し合いを促進します。ADR法は2004年制定で、民間ADR機関の認証制度を導入し、認証ADRには時効中断効・特定調停の場合の訴訟手続停止等の特例があります。調停・仲裁・あっせんなど多様なADR手続が存在し、訴訟以外の柔軟な紛争解決手段として活用されます。調停成立時の調書は債務名義となり、強制執行が可能です。
学習アドバイス
調停成立時の調書=確定判決と同一の効力(債務名義)、調停委員会の構成、ADR法の認証制度が頻出ポイントです。訴訟・調停・仲裁・あっせんの違いを整理しましょう。
まとめ
- 調停成立調書は確定判決同様の効力(調停法16条)
- 調停委員会は民間人を含む構成(調停法6条)
- 調停は当事者の合意が前提