【問199】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|仲裁手続
関連法規 問39/40難易度C(難しい)
問題文
仲裁手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.仲裁判断は仲裁人による判断にすぎず、訴訟による既判力はないため強制執行はできない。
- 2.仲裁合意がある場合、当事者は原則として裁判所に訴えを提起することができず、提起しても却下される。
- 3.仲裁手続は公開の場で行われ、判断内容も一般に公表される。
- 4.仲裁判断に不服がある当事者は、上級機関に上訴して再度判断を求めることができる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
仲裁法第45条により、仲裁判断は確定判決と同一の効力を有します。執行決定(法46条)を受けることで強制執行も可能です。
選択肢2 → ✅
仲裁法第14条第1項により、仲裁合意の対象となる紛争について訴訟が提起された場合、被告の妨訴抗弁により裁判所は当該訴えを却下しなければならないとされます。仲裁合意は裁判管轄を排除する効力(妨訴抗弁)を有します。
選択肢3 → ❌
仲裁手続は当事者間の自治に基づくため、原則として非公開で行われます。これは訴訟との大きな違いの一つで、企業秘密保護等の観点からビジネス紛争に適すると評価されます。
選択肢4 → ❌
仲裁判断は最終的なもので、原則として上訴(不服申立て)による再判断は認められません。仲裁法第44条で取消申立てが限定的に認められますが、これは仲裁手続の重大瑕疵等に限られ、判断内容の当否は争えません。
背景知識
仲裁は当事者間の合意に基づき、第三者(仲裁人)の判断によって紛争を解決する手続です。仲裁法は2003年制定で、UNCITRALモデル法を参考に体系化されています。特徴は(1)当事者の合意が前提(仲裁合意)、(2)非公開、(3)一審制(上訴不可)、(4)国際商事紛争での執行力(ニューヨーク条約による国際的執行)です。商事仲裁・労働仲裁・スポーツ仲裁等多様な分野で活用され、特に国際取引では仲裁条項が広く採用されます。仲裁判断には民事訴訟の確定判決と同一の効力があります。
学習アドバイス
仲裁の特徴(当事者合意・非公開・一審制・確定判決同等効力)を覚えましょう。仲裁合意の妨訴抗弁、ニューヨーク条約による国際執行力は重要です。
まとめ
- 仲裁合意は妨訴抗弁効を有する(法14条)
- 仲裁判断は確定判決と同一の効力(法45条)
- 一審制(上訴不可、限定的取消のみ)