【問192】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|労働契約法と解雇規制
関連法規 問32/40難易度A(易しい)
問題文
労働契約および解雇に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.解雇は使用者の自由であり、労働契約法上特に制限はない。
- 2.解雇には客観的に合理的な理由および社会通念上相当であることが必要であり、これを欠く解雇は無効である。
- 3.整理解雇については労働者の同意があれば、4要件を考慮することなく自由に行うことができる。
- 4.労働基準法上、解雇予告手当は20日分の平均賃金以上とされる。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
労働契約法第16条により、解雇は客観的合理的理由・社会通念上の相当性を要し、これを欠く場合は無効となります。解雇は自由ではありません。
選択肢2 → ✅
労働契約法第16条により、解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とされます(解雇権濫用法理)。
選択肢3 → ❌
整理解雇については判例により(1)人員削減の必要性、(2)解雇回避努力義務、(3)被解雇者選定の合理性、(4)手続の妥当性の4要件(または4要素)を満たす必要があり、労働者の同意があっても要件は厳格です。
選択肢4 → ❌
労働基準法第20条により、解雇予告手当は「30日分以上の平均賃金」(または30日前の予告)です。20日分ではありません。
背景知識
労働契約法は2007年制定の労働契約に関する民事的ルールを定める法律で、第16条で解雇権濫用法理を明文化しました。これは長年の判例(最判昭和50年「日本食塩製造事件」等)で確立されてきた法理を立法化したものです。整理解雇の4要件は判例上の枠組みで、必要性・回避努力・人選合理性・手続妥当性が要求されます。労働基準法第20条の解雇予告制度(30日前予告または30日分以上の平均賃金支払)は手続規制で、第16条の実体規制と区別されます。違反した解雇は無効とされ、未払賃金や慰謝料の請求対象となります。
学習アドバイス
解雇の2要件(客観的合理的理由・社会通念上相当性)、整理解雇の4要件、解雇予告30日は確実に押さえましょう。労働契約法と労働基準法の役割分担も整理してください。
まとめ
- 解雇は合理的理由・社会通念上相当性が必要(労契法16条)
- 整理解雇は4要件審査
- 解雇予告は30日前または30日分賃金(労基法20条)