【問186】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|著作物の引用と私的使用
関連法規 問26/40難易度B(標準)
問題文
著作権法における著作物の利用制限規定(引用・私的使用)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.他人の著作物を引用する場合、出所明示は必要であるが、自己の創作部分との明瞭区別性は要件とならない。
- 2.私的使用のための複製は、家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において、その使用する者が複製する場合に限り認められる。
- 3.引用が適法であるためには、引用元から書面による許諾を得ることが必要である。
- 4.引用は商用目的の場合は一切認められない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
著作権法第32条第1項に基づく適法な引用には、(1)公表された著作物であること、(2)公正な慣行に合致すること、(3)報道・批評・研究その他の引用目的上正当な範囲内であること、(4)主従関係(自己の著作物が主、引用部分が従)、(5)明瞭区別性、(6)出所明示(法48条)が要件となります。明瞭区別性は要件です。
選択肢2 → ✅
著作権法第30条第1項により、私的使用目的の複製は、個人的または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において、その使用する者が複製する場合に認められます(著作権法上の権利制限事由)。
選択肢3 → ❌
引用は法32条に基づく権利制限規定で、要件を満たせば許諾なしに他人の著作物を利用できます。書面許諾は不要です。
選択肢4 → ❌
引用の要件には「商用目的か否か」は含まれません。商用目的でも要件を満たせば適法な引用となります(出版・新聞・解説書等での引用)。
背景知識
著作権法は著作者の権利を保護する一方、文化発展のため一定の場合に権利制限規定(法30条〜49条)を設けています。私的使用複製(法30条)、引用(法32条)、教育目的の複製(法35条)、図書館等での複製(法31条)等が代表例です。引用の要件は判例(最判昭和55年「パロディ事件」)を踏まえ、明瞭区別性と主従関係が重視されます。私的使用は使用者本人の複製に限定され、家庭の代理人等による複製も許容範囲とされますが、業務での複製は対象外です。
学習アドバイス
引用の6要件(公表・慣行・正当範囲・主従関係・明瞭区別・出所明示)を整理しましょう。私的使用は「個人・家庭内・本人複製」の3点が要件です。
まとめ
- 引用には明瞭区別性が必要(法32条)
- 私的使用は家庭内かつ使用者複製(法30条)
- 引用は商用でも要件充足で適法