【問184】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|個人情報保護法の基本概念
問題文
個人情報保護法における個人情報の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.個人情報保護法の対象事業者は、5,000件超の個人情報を取り扱う事業者に限定される。
- 2.個人情報取扱事業者は、本人から保有個人データの開示請求があった場合、原則としてこれに応じる義務を負う。
- 3.個人情報の利用目的の変更は、本人の同意なしに自由に行うことができる。
- 4.個人情報を第三者に提供する場合、本人の同意は一切必要ない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
2017年5月の改正により、個人情報の取扱件数による事業者要件は撤廃されました。現在は1件でも個人情報を事業に使用する場合、個人情報取扱事業者として規制対象となります。
選択肢2 → ✅
個人情報保護法第33条により、本人は事業者に対し当該本人を識別する保有個人データの開示を請求でき、事業者は原則としてこれに応じなければなりません(法定の不開示事由がある場合を除く)。
選択肢3 → ❌
個人情報保護法第17条第2項により、利用目的の変更は変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはなりません。範囲を超える変更には本人同意が必要です。
選択肢4 → ❌
個人情報保護法第27条第1項により、個人データを第三者に提供する場合、原則として本人の同意が必要です。法令に基づく場合・人の生命等の保護のため必要な場合等の例外があります。
背景知識
個人情報保護法は2003年制定、2015年・2020年・2021年(令和3年)等の改正で大きく拡充されました。「個人情報」は生存する個人に関する情報で特定の個人を識別できるもの、「個人データ」は検索可能に体系化された個人情報、「保有個人データ」は事業者が開示・訂正・削除等の権限を有するものという階層構造です。事業者の義務として(1)利用目的の特定・通知公表、(2)取得時の利用目的明示、(3)目的外利用の禁止、(4)安全管理措置、(5)第三者提供制限、(6)本人請求対応(開示・訂正・削除・利用停止)があります。違反には個人情報保護委員会の指導・勧告・命令、命令違反で刑事罰が科されます。
学習アドバイス
個人情報・個人データ・保有個人データの3階層を理解しましょう。本人請求権(開示・訂正・利用停止)、第三者提供の同意原則、利用目的の変更制限が頻出ポイントです。
まとめ
- 取扱件数要件は撤廃、1件でも対象
- 開示請求への対応義務(法33条)
- 第三者提供は原則本人同意必要(法27条)