【問165】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|特定商取引法の連鎖販売取引
問題文
特定商取引法における連鎖販売取引(マルチ商法)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.連鎖販売取引のクーリング・オフ期間は契約書面受領日から起算して8日間である。
- 2.連鎖販売契約の締結から1年以内であれば、一定の条件で中途解約・返品が可能である。
- 3.連鎖販売取引の勧誘に際して事業者は商号・氏名・連鎖販売取引である旨を告げなくてもよい。
- 4.連鎖販売取引には書面交付義務は規定されていない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
特定商取引法第40条により、連鎖販売取引のクーリング・オフ期間は契約書面受領日(または商品受領日のいずれか遅い方)から起算して20日間です。8日ではありません。
選択肢2 → ✅
特定商取引法第40条の2により、連鎖販売契約を締結した日から1年を経過していない加入者は、契約の中途解約(将来に向かっての解除)とあわせて、引渡しを受けた日から90日を経過しておらず、再販売も使用・消費もしていない商品について返品(商品販売契約の解除)ができます。1年の起算点は解除時ではなく契約締結時です。
選択肢3 → ❌
特定商取引法第33条の2(氏名等の明示義務)により、連鎖販売業者は勧誘に先立ち、その商号・氏名・連鎖販売取引である旨・特定負担に関する事項等を告げる義務があります。
選択肢4 → ❌
特定商取引法第37条により、連鎖販売業者には概要書面と契約書面(2種類の書面)の交付義務が規定されています。書面交付義務は重要な保護規定です。
背景知識
連鎖販売取引(マルチ商法)は、商品販売事業の組織で「特定利益」(リクルート報酬)を収受しうることをもって誘引し、特定負担を伴う取引を行う取引です。特定商取引法第33条以下で詳細に規制され、書面交付義務・氏名等明示義務・誇大広告等の禁止・クーリング・オフ(20日)・中途解約権・契約取消権など多層的な消費者保護規定が置かれています。違反時は業務停止命令・罰則の対象となります。20日間という長期のクーリング・オフ期間は、取引構造の複雑さと被害拡大防止を考慮したものです。
学習アドバイス
連鎖販売は8日ではなく20日のクーリング・オフであること、概要書面と契約書面の2種類の書面交付義務があること、中途解約に伴う返品は契約締結から1年以内かつ引渡しから90日以内が条件であることを整理しましょう。業務提供誘引販売取引と並んで20日類型に分類されます。
まとめ
- クーリング・オフ期間は20日間(法40条)
- 中途解約権が1年以内に認められる
- 概要書面と契約書面の2種類交付義務