【問164】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|消費者契約法の不当条項規制
関連法規 問4/40難易度B(標準)
問題文
消費者契約法における不当条項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項は無効である。
- 2.消費者の解除権を放棄させる条項は、当事者の合意があれば有効に成立する。
- 3.事業者の故意または重過失による損害賠償責任を一部免除する条項は有効である。
- 4.事業者が任意に契約を解除できる旨の条項は、相手方が消費者の場合でも常に有効である。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
消費者契約法第8条第1項第1号により、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の「全部」を免除する条項、または事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項は無効とされます。
選択肢2 → ❌
消費者契約法第8条の2により、事業者の債務不履行や瑕疵により生じた消費者の解除権をあらかじめ放棄させる条項、または事業者にその有無を決定する権限を付与する条項は無効です。
選択肢3 → ❌
消費者契約法第8条第1項第2号により、事業者の故意または重大な過失による債務不履行については、責任の「一部」を免除する条項であっても無効となります。軽過失の場合のみ一部免除条項が有効になり得ます。
選択肢4 → ❌
消費者契約法第10条により、消費者の利益を一方的に害する条項は無効となります。事業者が任意に解除できる条項は消費者にとって不利益で、信義則に反するため第10条により無効となる可能性があります。
背景知識
消費者契約法第8条〜第10条は不当条項規制を定めます。第8条は事業者の損害賠償責任を免除する条項、第8条の2は解除権放棄条項、第8条の3は後見開始等を理由とする解除条項、第9条は損害賠償の予定・違約金の上限(平均的損害を超える部分は無効)、第10条は包括的な無効規定(消費者の利益を一方的に害する条項)を規定します。2018年・2022年改正により無効条項の類型が拡充され、消費者保護が強化されました。
学習アドバイス
無効条項の類型を「責任免除」「解除権放棄」「違約金上限超過」「一方的不利益」と整理しましょう。全部免除は常に無効、軽過失の一部免除のみ有効である点に注意してください。
まとめ
- 全部免除条項は法8条1項1号で無効
- 故意・重過失の一部免除も無効
- 第10条の包括規定で広範な不当条項を無効化