【問144】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|支配人
商法・会社法 問24/40難易度B(標準)
問題文
支配人に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.支配人は商人に代わり営業に関する一切の行為をする権限を有する
- 2.支配人は、複数の商人の支配人を兼任することが自由にできる
- 3.支配人の代理権は、内部的制限を加えれば善意の第三者にも対抗できる
- 4.支配人は商業登記の対象とならない
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
商法第21条1項により、支配人は商人に代わって営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限(支配権)を有します。
選択肢2 → ❌
支配人は精力分散防止のため、競業避止義務・他社使用人就任禁止等の規律があります(商法第23条)。
選択肢3 → ❌
支配人の代理権の制限は善意第三者に対抗できません(商法第21条3項)。
選択肢4 → ❌
支配人選任・代理権消滅は登記事項です(商法第22条)。
背景知識
支配人は商人(本人)に代わって営業に関する包括的代理権(支配権)を持つ商業使用人で、商法第21条1項に規定されます。支配権は営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為に及び、内部的制限を加えても善意の第三者に対抗できません(同条3項)。これは取引安全保護のためです。支配人は商人の信頼が必要なため、商法第23条1項で(1)自ら営業を行うこと、(2)自己または第三者のために商人の営業の部類に属する取引を行うこと、(3)他の商人または会社の使用人となること、(4)会社の取締役・執行役・業務執行社員になること、を競業避止義務として禁止します。違反時は介入権行使等が可能です。支配人の選任・終任は登記事項(同第22条)で、登記により公示されます。
学習アドバイス
支配人の包括的代理権、内部制限の対抗不可、競業避止義務の3点が重要です。商業使用人には他に「ある種類または特定の事項の委任を受けた使用人」(商法第25条)、「物品販売店舗使用人」(同第26条)があり、それぞれの権限範囲を比較整理しましょう。
まとめ
- 支配人は包括的代理権を持つ商業使用人
- 内部制限は善意第三者に対抗不可
- 競業避止義務(商法第23条)を負う