【問139】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|利益相反取引
商法・会社法 問19/40難易度C(難しい)
問題文
取締役の利益相反取引に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.取締役が会社と取引をする場合、株主総会または取締役会の承認が必要である
- 2.利益相反取引は、たとえ会社の承認があっても無効である
- 3.競業取引については承認不要である
- 4.利益相反取引について承認なくしても、何らの責任も生じない
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
会社法第356条1項により、取締役が会社と取引する場合、重要な事実を開示し承認を得る必要があります。
選択肢2 → ❌
適切な承認を得れば有効です。
選択肢3 → ❌
競業取引も同条1号により承認が必要です。
選択肢4 → ❌
承認なき取引で会社に損害が生じれば取締役は損害賠償責任を負います(会社法第423条3項)。
背景知識
会社法第356条1項は取締役が一定の取引を行う場合、株主総会(取締役会設置会社では取締役会、同第365条1項)で重要事実を開示して承認を得る必要があると規定します。対象取引は(1)競業取引(自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引)、(2)直接取引(自己または第三者のために会社と取引)、(3)間接取引(会社が取締役の債務を保証する等)です。これらの取引は取締役の利益と会社の利益が衝突する可能性があるため、利益相反取引と呼ばれます。承認なき取引で会社に損害が生じた場合、取引した取締役・関係取締役は損害賠償責任を負い(同第423条3項)、特に直接取引の自己取引者は無過失責任です(同条4項)。
学習アドバイス
3類型「競業・直接・間接」と承認手続を覚えましょう。承認機関は取締役会設置会社では取締役会、非設置会社では株主総会と区別が必要です。違反時の損害賠償責任も重要論点です。
まとめ
- 利益相反取引は事前に承認手続が必要
- 競業・直接・間接取引の3類型
- 違反時は損害賠償責任が発生