【問138】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|取締役の善管注意義務
商法・会社法 問18/40難易度B(標準)
問題文
取締役の善管注意義務・忠実義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.取締役は、会社に対して善良な管理者の注意義務を負う
- 2.取締役は、会社の業務を遂行する上でいかなる注意義務も負わない
- 3.取締役の忠実義務は、会社法ではなく民法に規定されている
- 4.取締役は、自己の利益のためなら会社の利益に反する行為をしてもよい
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
会社法第330条により、取締役と会社は委任関係にあり、民法第644条により善管注意義務を負います。
選択肢2 → ❌
取締役は善管注意義務・忠実義務を負います。
選択肢3 → ❌
忠実義務は会社法第355条に明記されています。
選択肢4 → ❌
取締役は会社利益のために職務を遂行する義務(忠実義務)を負います。
背景知識
取締役と会社の関係は委任関係(会社法第330条)であり、民法第644条の準用により取締役は会社に対し善良な管理者の注意義務(善管注意義務)を負います。これは取締役の地位・職業として通常期待される程度の注意であり、過失の判断基準となります。さらに会社法第355条は忠実義務を規定し、「法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない」とします。両者の関係について判例は同質説を採り、忠実義務は善管注意義務を敷衍したものとされます。これらの義務違反により会社に損害が生じれば、取締役は会社に対する損害賠償責任を負います(同第423条1項)。
学習アドバイス
善管注意義務(民法第644条準用)と忠実義務(会社法第355条)の根拠条文を覚えましょう。義務違反は会社法第423条1項の損害賠償責任に直結します。経営判断原則の理解も大切です。
まとめ
- 取締役は善管注意義務+忠実義務を負う
- 善管注意義務は民法第644条準用
- 忠実義務は会社法第355条が直接規定