【問113】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|事務管理
民法(物権・担保・相続) 問33/40難易度B(標準)
問題文
民法上の事務管理(民法697条以下)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、最も本人の利益に適合する方法によって管理をしなければならない。
- 2.事務管理を行った管理者は、本人に対して報酬を請求することができる。
- 3.管理者は、本人のために事務管理を始めた以上、いかなる場合でも管理を継続しなければならない。
- 4.事務管理の管理者は、本人の意思に反することが明らかな場合であっても、本人のために事務管理を継続することができる。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法697条1項により、義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法でその事務を管理しなければなりません。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法697条1項のとおりです。本人の利益適合性が管理の基本原則です。
選択肢2 → ❌
事務管理は無償が原則で、報酬請求権はありません。ただし管理者は支出した費用の償還を請求できます(702条)。
選択肢3 → ❌
民法700条により、管理者は本人または相続人もしくは法定代理人が管理できるようになるまで管理を継続する義務がありますが、管理の継続が本人の意思に反し、または本人に不利であることが明らかなときは、この限りではありません。
選択肢4 → ❌
民法700条ただし書により、管理の継続が本人の意思に反することが明らかな場合は管理を継続してはなりません。
背景知識
事務管理は、法律上の義務がないにもかかわらず他人のために事務を行った場合に成立する債権発生原因です。例えば、隣人の留守中に空き巣に入られそうな家を修繕する場合などです。社会的相互扶助を促進する制度ですが、本人の意思を尊重するため、本人の意思に反する管理は禁止されます。管理者は無償が原則で、本人のために有益な費用を支出した場合に償還を請求できます(702条)。緊急事務管理(698条)の場合、管理者の責任が軽減されます。
学習アドバイス
事務管理は「義務なく」「他人のために」がキーワードです。無償が原則で、本人の意思を尊重すること、費用償還請求権が認められることを押さえましょう。緊急事務管理での責任軽減も応用論点です。
まとめ
- 事務管理は本人の利益に適合する方法で行う
- 事務管理は無償が原則(費用償還は可)
- 本人の意思に反することが明らかなら継続不可