【問104】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|不法行為の損害賠償
問題文
不法行為に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問は2020年改正民法に基づくものとする。
- 1.不法行為に基づく損害賠償請求権は、生命・身体を害する場合を除き、損害および加害者を知った時から3年で時効消滅する。
- 2.人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年を経過すれば、時効により消滅する。
- 3.不法行為による損害賠償請求権は、不法行為の時から10年を経過したときも、時効によって消滅しない。
- 4.不法行為に基づく損害賠償の方法は、原則として原状回復であり、金銭賠償は例外的にしか認められない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法724条1号により、不法行為による損害賠償請求権は、被害者が損害及び加害者を知った時から3年で時効消滅します。ただし人の生命または身体を害する不法行為は例外で、この3年が5年に読み替えられます(民法724条の2)。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法724条1号のとおり、主観的起算点から3年です。生命・身体を害する場合だけは724条の2で5年に伸長されるため、本肢はその場合を除いています。
選択肢2 → ❌
民法724条の2により、人の生命または身体を害する不法行為では、主観的起算点(知った時)から「5年」に伸長されています(2020年改正で新設)。
選択肢3 → ❌
民法724条2号により、不法行為の時から20年で時効消滅します。「10年経過しても消滅しない」というのは誤りです。
選択肢4 → ❌
民法722条1項・417条により、損害賠償の方法は原則として金銭賠償です。原状回復は例外(名誉毀損の謝罪広告など)です。
背景知識
2020年4月施行の改正民法により、不法行為の消滅時効ルールが整備されました。一般の不法行為は、主観的起算点(知った時)から3年、客観的起算点(不法行為の時)から20年です。生命身体侵害の場合、被害者保護のため主観的起算点から5年に伸長されました(債務不履行責任との統一)。20年は除斥期間とされていましたが、改正により消滅時効と明記され、援用が必要となりました。損害賠償は金銭賠償が原則で、名誉毀損などの場合に謝罪広告等の原状回復が認められます。
学習アドバイス
時効期間は「3年・5年・20年」と覚えましょう。一般3年、生命身体5年、客観的起算点20年です。改正で新設された5年(生命身体)は出題の可能性が高いです。金銭賠償の原則も基本論点です。
まとめ
- 一般不法行為の主観的時効期間は3年
- 生命身体侵害の不法行為は主観的時効期間が5年
- 客観的時効期間は20年(消滅時効)