【問100】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|担保物権の通有性
民法(物権・担保・相続) 問20/40難易度C(難しい)
問題文
担保物権の通有性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.担保物権の付従性とは、被担保債権が成立しなければ担保物権も成立せず、消滅すれば消滅する性質をいう。
- 2.担保物権の随伴性とは、目的物の交換価値に効力が及ぶ性質のことをいう。
- 3.担保物権の不可分性とは、被担保債権の一部が弁済されれば、その割合に応じて担保物権も縮減するという性質をいう。
- 4.担保物権の物上代位性は、すべての担保物権に共通して認められる性質である。
解説
正解
正解は選択肢1です。
担保物権の付従性とは、被担保債権が成立しなければ担保物権も成立せず、被担保債権が消滅すれば担保物権も消滅する性質です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
付従性の定義どおりです。担保物権は被担保債権の存在を前提とします。
選択肢2 → ❌
随伴性とは、被担保債権が他人に譲渡されれば担保物権もこれに伴って移転する性質です。「目的物の交換価値に及ぶ」性質ではありません。
選択肢3 → ❌
不可分性とは、被担保債権の全額の弁済を受けるまで、担保物権は目的物の全部に及ぶ性質です(民法296条等)。一部弁済による縮減は生じません。
選択肢4 → ❌
物上代位は、留置権を除く先取特権・質権・抵当権に認められます。留置権には物上代位はありません(優先弁済権がないため)。
背景知識
担保物権の通有性として、(1)付従性(被担保債権の存在に依存)、(2)随伴性(被担保債権譲渡で担保も移転)、(3)不可分性(全額弁済まで全部に及ぶ)、(4)物上代位性(目的物の代替物にも効力)の4つが整理されます。すべての担保物権に4性質があるわけではなく、留置権には物上代位性がない、根抵当権は元本確定前は付従性・随伴性が緩和されるなど、例外もあります。これらは担保物権の効力範囲を理解する基本概念です。
学習アドバイス
4つの通有性(付従性・随伴性・不可分性・物上代位性)は定義をしっかり覚えましょう。各担保物権でどの通有性が認められるかも整理が必要です。特に留置権の物上代位性なし、根抵当権の付従性緩和は重要例外です。
まとめ
- 付従性は被担保債権の成立・消滅に従う性質
- 随伴性は被担保債権の譲渡で担保物権も移転する性質
- 不可分性は全額弁済まで担保物権は目的物全部に及ぶ性質