【問99】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|抵当権の消滅
民法(物権・担保・相続) 問19/40難易度B(標準)
問題文
抵当権の消滅に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.抵当権は、被担保債権が時効によって消滅した場合であっても、当然には消滅しない。
- 2.抵当権は、目的物の所有者が抵当権者と同一人になった場合であっても、混同により消滅することはない。
- 3.抵当権は、その目的物が滅失した場合、消滅する。
- 4.抵当不動産の第三取得者は、抵当権者との合意なくして抵当権を消滅させる手段は一切存在しない。
解説
正解
正解は選択肢3です。
抵当権は、目的物が滅失すれば消滅します。これは物権の本質的性質です。ただし保険金請求権などへの物上代位の余地は残ります。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
抵当権は付従性により、被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅します。時効消滅の場合も同様です。
選択肢2 → ❌
混同により抵当権は原則消滅しますが、抵当権者が後順位抵当権者などとの関係で消滅させない方が利益となる場合は例外的に存続します(民法179条1項ただし書)。設問では「消滅することはない」と断定しており誤りです。
選択肢3 → ✅
目的物の滅失により抵当権は消滅します。物権の対象が消滅すれば物権も消滅するという原則です。
選択肢4 → ❌
第三取得者は抵当権消滅請求(民法379条以下)により、抵当権者と合意しなくても抵当権を消滅させる手段があります。
背景知識
抵当権の消滅原因には、(1)被担保債権の消滅(付従性)、(2)目的物の滅失、(3)混同、(4)抵当権実行(競売)、(5)抵当権消滅請求、(6)代価弁済などがあります。被担保債権が時効消滅すれば付従性により抵当権も消滅します。第三取得者保護のため、抵当権消滅請求(旧滌除)の制度があり、第三取得者が一定額を提供して抵当権者の承諾を得るか、競売を受けるかの選択を迫ることができます。代価弁済は、抵当権者の請求により第三取得者が代価を弁済することで抵当権を消滅させる制度です。
学習アドバイス
抵当権の消滅原因は、付従性・物権の性質・実行・第三取得者の保護制度に整理できます。抵当権消滅請求と代価弁済は、似て非なる制度なので両者の違いを理解しましょう。
まとめ
- 抵当権は被担保債権の消滅により付従性で消滅
- 目的物の滅失により抵当権は消滅
- 第三取得者には抵当権消滅請求の制度がある