【問101】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|不法行為の成立要件
民法(物権・担保・相続) 問21/40難易度A(易しい)
問題文
民法上の一般不法行為(民法709条)の成立要件に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.不法行為が成立するためには、加害者の故意または過失により、他人の権利または法律上保護される利益が侵害されたことが必要である。
- 2.不法行為が成立するためには、加害者に故意があった場合のみで、過失による行為では不法行為は成立しない。
- 3.不法行為による損害賠償請求権が成立するためには、加害者の責任能力は要件とならない。
- 4.不法行為が成立するためには、加害者の行為と損害との間に因果関係があれば足り、損害の発生は要件とならない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法709条により、故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法709条のとおりです。要件は(1)故意・過失、(2)権利・利益侵害、(3)損害発生、(4)因果関係です。
選択肢2 → ❌
故意のみでなく、過失による行為でも不法行為は成立します(民法709条)。
選択肢3 → ❌
責任能力(自己の行為の責任を弁識する能力)は不法行為の要件です。責任能力のない未成年者・心神喪失者は責任を負いません(民法712条・713条)。
選択肢4 → ❌
不法行為の成立には損害の発生が必須要件です。損害なくして賠償義務はありません。
背景知識
一般不法行為(709条)の要件は、(1)故意または過失、(2)権利または法律上保護される利益の侵害、(3)損害の発生、(4)行為と損害との因果関係、(5)加害者の責任能力です。2004年の民法改正で「権利」のみだった保護対象が「権利又は法律上保護される利益」に拡張され、より広い被害救済が可能となりました。立証責任は原則として被害者にあります。「過失」とは、結果回避義務違反と解されており、注意義務の有無と程度が争点となります。
学習アドバイス
不法行為の5要件(故意過失・侵害・損害・因果関係・責任能力)を確実に覚えましょう。各要件の意味と、立証責任が被害者にあることが基本です。「権利または法律上保護される利益」と拡張されている点も重要です。
まとめ
- 不法行為成立には故意・過失、侵害、損害、因果関係が必要
- 過失でも不法行為は成立
- 加害者の責任能力も成立要件である