【問98】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|先取特権
民法(物権・担保・相続) 問18/40難易度C(難しい)
問題文
民法上の先取特権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.先取特権は、当事者の合意によってのみ発生する約定担保物権である。
- 2.先取特権は、法律で定められた特殊の債権を有する者が、その債務者の財産から優先弁済を受ける権利である。
- 3.先取特権は、すべての債権について認められ、債権の種類による制限はない。
- 4.一般先取特権は、債務者の特定の財産にのみ及び、その他の財産には及ばない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
民法303条により、先取特権は、法律で定められた特殊の債権を有する者が、その債務者の財産から優先弁済を受ける権利です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
先取特権は法律によって当然に発生する法定担保物権です。当事者の合意は不要です。
選択肢2 → ✅
民法303条のとおりで、先取特権は法定担保物権で優先弁済権を有します。
選択肢3 → ❌
先取特権が認められる債権は法律で限定列挙されています。一般先取特権4種・動産先取特権8種・不動産先取特権3種が代表例です。
選択肢4 → ❌
一般先取特権は、債務者の総財産に及びます(民法306条)。特定財産にのみ及ぶのは特別先取特権です。
背景知識
先取特権は、社会政策的な配慮から特定の債権者に法律上当然に与えられる優先弁済権です。一般先取特権は債務者の総財産に及び、共益費用・雇用関係・葬式費用・日用品供給の4種があります。動産先取特権は特定動産に及び、不動産先取特権は特定不動産に及びます。法定担保物権で公示なしに発生するため、第三者保護のため一定の制限があります。実務上は、雇用関係(給料)・建物賃貸借の動産先取特権などが重要です。
学習アドバイス
先取特権は3級試験では概要レベルで十分です。法定担保物権であること、種類(一般・動産・不動産)、典型例(給料、建物賃貸借)を押さえましょう。留置権との違い(留置権=物の占有、先取特権=総財産または特定財産)も理解しましょう。
まとめ
- 先取特権は法律で発生する法定担保物権
- 一般先取特権は債務者の総財産に及ぶ
- 種類は一般・動産・不動産の3類型