【問97】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|法定地上権
民法(物権・担保・相続) 問17/40難易度B(標準)
問題文
法定地上権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.法定地上権が成立するためには、抵当権設定時に土地と建物が同一所有者に属していたことが必要である。
- 2.法定地上権は、当事者の合意がなければ成立しない。
- 3.法定地上権が成立するのは、土地と建物が抵当権実行時にも同一所有者であった場合に限られる。
- 4.建物が抵当権設定後に新築されたものであっても、競売の結果土地と建物の所有者を異にすれば、法定地上権が成立する。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法388条により、法定地上権が成立するためには、抵当権設定時に土地と建物が同一所有者に属していたことが必要です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法388条のとおりで、抵当権設定時の同一所有者要件は法定地上権の核心的要件です。
選択肢2 → ❌
法定地上権は法律上当然に成立する権利で、当事者の合意は不要です(だからこそ「法定」地上権です)。
選択肢3 → ❌
判例は、抵当権設定時に同一所有者であれば、その後譲渡により所有者が異なっても法定地上権の成立を認めています(最判昭和53.7.4等)。設定時基準が原則です。
選択肢4 → ❌
更地に抵当権を設定し後に建物が建てられた場合、法定地上権は成立しません(建物のため土地利用が予定されていなかった)。判例も同様の判断です。
背景知識
法定地上権は、土地と建物が同一人所有である際に抵当権が設定され、競売で別人所有となった場合に建物所有者が建物のために土地を利用する権利を法律上当然に取得する制度です。建物所有者の保護と建物収去の防止が目的です。要件は、(1)抵当権設定時に建物が存在、(2)抵当権設定時に同一所有者、(3)抵当権実行で別人所有となること、です。更地への抵当権設定後の建築物には法定地上権は成立しません。
学習アドバイス
法定地上権は試験頻出の重要テーマです。4要件(建物存在・同一所有者・抵当権実行・別人所有)と判断時点(設定時)を必ず押さえましょう。「設定時に同一所有」が最大のポイントです。
まとめ
- 法定地上権の要件は抵当権設定時の建物存在と同一所有者
- 法律上当然に成立する権利で当事者合意は不要
- 更地への抵当権設定後の建築物には成立しない