【問90】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|共有物分割
民法(物権・担保・相続) 問10/40難易度C(難しい)
問題文
共有物の分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.各共有者はいつでも共有物の分割を請求できるが、5年を超えない期間で不分割の特約ができる。
- 2.共有物の分割について、共有者の協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することはできない。
- 3.共有物の分割は、必ず現物分割の方法によらなければならず、価格賠償による分割は認められない。
- 4.共有物の分割は、相続によって生じた共有関係には適用されない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法256条1項により、各共有者はいつでも共有物の分割を請求でき、ただし5年を超えない期間内では不分割の特約をすることができます。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法256条1項の本文・ただし書のとおりです。不分割特約は5年を超えない期間で可能で、更新もできます。
選択肢2 → ❌
民法258条により、共有者間で協議が調わないときは、裁判所に分割を請求することができます。
選択肢3 → ❌
分割方法には現物分割、代金分割(換価分割)、価格賠償(全面的価格賠償)があり、いずれも認められます。
選択肢4 → ❌
相続によって生じた共有関係(遺産共有)も含めて、共有物分割の規定が適用されます。ただし、遺産分割と共有物分割の手続的関係については別途整理されています。
背景知識
共有関係は、各共有者の自由な利用を制約するため、民法は分割請求権を保障しています。原則としていつでも分割請求でき、不分割の特約は5年以内に限定されます。協議が調わない場合は裁判所に分割を請求でき、現物分割が原則ですが、現物分割が困難な場合は競売による代金分割や、特定共有者に取得させて他の共有者に金銭で補償する全面的価格賠償も認められています(最判平成8.10.31)。2023年施行の改正で、所在不明共有者の持分取得・譲渡の制度も新設されました。
学習アドバイス
共有物分割は3つの方法(現物・代金・価格賠償)と不分割特約の期間制限(5年)が頻出です。協議→裁判の順序、相続による共有も含むことなど基本ルールを押さえましょう。
まとめ
- 共有物分割はいつでも請求可能(不分割特約は5年以内)
- 協議不調なら裁判所に分割請求できる
- 分割方法は現物・代金・価格賠償の3つ