【問89】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|地上権と賃借権
民法(物権・担保・相続) 問9/40難易度C(難しい)
問題文
地上権と土地賃借権の比較に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.地上権も土地賃借権も、登記なくして第三者に対抗することができる。
- 2.地上権は物権であるため譲渡が自由であるが、土地賃借権の譲渡には賃貸人の承諾が必要である。
- 3.地上権者は、土地所有者の承諾なく地上権に抵当権を設定することはできない。
- 4.土地賃借権は物権であるが、地上権は債権である。
解説
正解
正解は選択肢2です。
地上権は物権であり譲渡自由ですが、土地賃借権は債権で、賃貸人の承諾なく譲渡すれば解除原因となります(民法612条)。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
地上権・賃借権ともに、登記がなければ原則として第三者に対抗できません。ただし、借地借家法の適用がある場合は、借地上の建物の登記により対抗できます。
選択肢2 → ✅
地上権は物権で譲渡自由、土地賃借権の譲渡には賃貸人の承諾が必要です。
選択肢3 → ❌
地上権は物権であり、土地所有者の承諾なく抵当権を設定できます(民法369条2項)。
選択肢4 → ❌
逆です。地上権は物権、土地賃借権は債権です。
背景知識
地上権と土地賃借権はいずれも他人の土地を使用する権利ですが、その性質は大きく異なります。地上権は物権で、譲渡・転貸が自由、抵当権の設定も可能です。土地賃借権は債権で、譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要、抵当権の設定はできません。ただし借地借家法の適用がある場合、土地賃借権でも建物の登記により対抗力を備えることができ、保護が強化されています。実務では、所有者にとって賃借権の方が管理しやすく、賃借権が圧倒的に多く利用されています。
学習アドバイス
「地上権=物権=強い権利」「賃借権=債権=弱い権利」と整理しましょう。譲渡・転貸の自由、抵当権設定の可否などの違いを比較表で覚えると効率的です。借地借家法による保護の存在も押さえましょう。
まとめ
- 地上権は物権、土地賃借権は債権
- 地上権は譲渡自由、賃借権は譲渡に承諾が必要
- 地上権には抵当権を設定できる