【問91】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|抵当権の効力
民法(物権・担保・相続) 問11/40難易度A(易しい)
問題文
民法上の抵当権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.抵当権は、設定者から債権者へ目的物の引渡しがなければ効力を生じない。
- 2.抵当権は、占有を移転せず担保とした不動産について、他の債権者に先立って弁済を受ける権利である。
- 3.抵当権は、不動産以外の財産には一切設定することができない。
- 4.抵当権の効力は、設定行為に別段の定めがなくても、抵当不動産に付加して一体となった物には及ばない。
解説
正解
正解は選択肢2です。
民法369条1項により、抵当権は、債務者または第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って弁済を受ける権利です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
抵当権は、引渡しを伴わない非占有担保権です。設定者は引き続き占有・使用できます。
選択肢2 → ✅
民法369条1項の定義どおりで、抵当権は非占有担保で優先弁済権を有します。
選択肢3 → ❌
抵当権は、地上権・永小作権にも設定できます(民法369条2項)。また、特別法上、自動車・船舶などにも設定可能です。
選択肢4 → ❌
民法370条により、抵当権の効力は付加一体物にも及びます。例えば建物に附属している建具などです。
背景知識
抵当権は、占有を移転せずに目的物を担保化する非占有担保物権で、不動産取引の根幹をなす重要な制度です。設定者は引き続き不動産を使用・収益でき、債権者は登記により公示しつつ優先弁済権を確保します。目的物は不動産が中心ですが、地上権・永小作権、特別法により自動車・建設機械・船舶なども対象となります。抵当権の効力は付加一体物(民法370条)と従物・果実(371条)にも及び、目的物の交換価値を広く把握します。
学習アドバイス
抵当権の最大の特徴は「非占有担保」と「優先弁済権」です。質権との違い(質権は占有移転)を比較しながら覚えましょう。地上権・永小作権にも設定できる点と、付加一体物への効力も頻出です。
まとめ
- 抵当権は非占有担保物権である
- 不動産・地上権・永小作権が抵当権の目的となる
- 抵当権の効力は付加一体物にも及ぶ