【問88】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|相隣関係
民法(物権・担保・相続) 問8/40難易度B(標準)
問題文
民法上の相隣関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問は2023年施行の相隣関係改正民法に基づくものとする。
- 1.他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るために他の土地を通行することができるが、これによって生じた損害は償う必要がない。
- 2.土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、いかなる場合でも自らこれを切除することができる。
- 3.土地の所有者は、隣地から雨水が自然に流れ込んでくるのを妨げてはならない。
- 4.境界線から1メートル未満の距離に他人の宅地を観望できる窓または縁側を設ける場合、目隠しを付ける必要はない。
解説
正解
正解は選択肢3です。
民法214条により、土地の所有者は、隣地から自然に流れる水を妨げてはなりません(自然水流の承水義務)。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
囲繞地通行権は認められますが、通行する者は通行の場所及び方法について、最も損害の少ないものを選ぶとともに、通行地の所有者に対して償金を支払う必要があります(民法212条)。
選択肢2 → ❌
原則として隣地所有者に切除を求めるべきで、自ら切除できるのは催告したのに相当期間内に切除しないとき、所有者を知ることができないとき、急迫の事情があるときに限られます(2023年改正後の民法233条3項)。
選択肢3 → ✅
民法214条のとおり、自然な水流は妨げてはなりません。
選択肢4 → ❌
民法235条1項により、境界線から1メートル未満の距離で他人の宅地を観望できる窓・縁側を設ける場合、目隠しを付ける必要があります。
背景知識
相隣関係は、隣り合う土地の所有者の利害を調整するルールです。①囲繞地通行権、②水流に関する規定、③竹木の枝・根、④境界線付近の建築制限などが主な論点です。2023年施行の改正により、隣地所有者不明の場合の対応や、ライフライン設備の設置権などが整備されました。竹木の枝については、改正前は所有者に切除を求めるしかなかったのが、改正後は一定要件下で自ら切除できるようになりました。根については従来から自ら切ることができます。
学習アドバイス
相隣関係は2023年改正で大きく変わりました。竹木の枝の切除ルール、囲繞地通行権の償金、境界線付近の建築制限(1m)、目隠し設置などが頻出ポイントです。改正点を意識して学習しましょう。
まとめ
- 囲繞地通行権の行使には償金支払いが必要
- 隣地の竹木の枝は原則所有者に切除を求める(例外あり)
- 境界線から1m未満の窓には目隠しが必要