【問82】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|共有物の管理
民法(物権・担保・相続) 問2/40難易度B(標準)
問題文
共有に関する民法上の規定について、最も適切なものはどれか。なお、本問は2020年改正民法(2023年施行の共有規定改正を含む)に基づくものとする。
- 1.共有物の保存行為は、各共有者が単独で行うことができる。
- 2.共有物の管理に関する事項は、共有者全員の同意がなければ決定することができない。
- 3.共有物の変更は、共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。
- 4.各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができ、不分割の特約を結ぶことは一切認められない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法252条5項により、共有物の保存行為は、各共有者が単独で行うことができます。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法252条5項のとおり、保存行為(修繕など現状維持に必要な行為)は、各共有者が単独で行えます。
選択肢2 → ❌
管理に関する事項は、共有者の持分の価格に従い、その過半数で決します(民法252条1項)。全員同意は不要です。
選択肢3 → ❌
共有物の変更(軽微な変更を除く)は、原則として共有者全員の同意が必要です(民法251条1項)。過半数では足りません。
選択肢4 → ❌
共有者は、5年を超えない期間内であれば不分割の特約を結ぶことができます(民法256条1項ただし書)。一切認められないというのは誤りです。
背景知識
共有物の取扱いは、行為の性質によって必要な要件が異なります。①保存行為(修繕、不法占拠者への明渡請求など)は単独で可能、②管理行為(賃貸借契約の締結、軽微な変更)は持分価格の過半数、③変更行為(増改築、処分)は原則全員同意、という三段階で整理されます。2023年施行の改正により、軽微変更は管理行為として過半数で可能となり、所在不明共有者の持分取得の手続も整備されました。
学習アドバイス
共有規定は2023年施行の改正で大幅に変更されています。保存・管理・変更の3区分と、それぞれの決定要件をしっかり整理しましょう。「保存=単独」「管理=過半数」「変更=全員」が基本です。
まとめ
- 保存行為は各共有者が単独で可能
- 管理行為は持分価格の過半数で決定
- 変更行為は原則全員同意(軽微変更を除く)