【問81】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|所有権の取得
民法(物権・担保・相続) 問1/40難易度A(易しい)
問題文
民法上の所有権の取得に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.他人の動産に加工した場合、加工によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときであっても、所有権は常に材料の所有者に帰属する。
- 2.所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得することができる。
- 3.遺失物を拾得した者は、拾得の時から直ちにその所有権を取得する。
- 4.埋蔵物は、これを発見した者が、他人の所有する物の中から発見した場合であっても、発見者が単独でその所有権を取得する。
解説
正解
正解は選択肢2です。
民法239条1項により、所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得できます(無主物先占)。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌
民法246条1項ただし書により、加工物の価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者が所有権を取得します。常に材料所有者に帰属するというのは誤りです。
選択肢2 → ✅
民法239条1項のとおり、無主の動産は所有の意思をもって占有すれば所有権を取得できます。
選択肢3 → ❌
遺失物法に基づき、3か月以内に所有者が判明しないときに拾得者が所有権を取得します(民法240条)。直ちに取得するわけではありません。
選択肢4 → ❌
民法241条ただし書により、他人の物の中から発見された埋蔵物は、発見者と所有者が等しい割合で所有権を取得します。
背景知識
所有権の原始取得には、無主物先占(239条)、遺失物拾得(240条)、埋蔵物発見(241条)、添付(242条以下)があります。無主物先占は所有者のない動産にのみ適用され、所有者のない不動産は国庫に帰属する点に注意が必要です。加工については、原則として材料所有者に所有権が帰属しますが、加工による価値増加が著しい場合は加工者が取得します。これらの規定は、物の経済的価値の帰属を合理的に決めるためのルールです。
学習アドバイス
所有権の原始取得は出題頻度が高い分野です。「無主物先占=動産のみ」「遺失物=3か月」「埋蔵物=6か月」「加工=価値が著しく超えるとき加工者」など、数字と例外をセットで覚えましょう。
まとめ
- 無主物先占は所有者のない動産にのみ成立する
- 遺失物の所有権取得は3か月経過が必要
- 加工物の所有権は原則材料所有者だが、価値が著しく超えれば加工者