【問83】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|占有権の効力
民法(物権・担保・相続) 問3/40難易度B(標準)
問題文
民法上の占有に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得することができ、所有権の有無は問わない。
- 2.占有者は、その占有が善意・無過失であれば、即時取得により不動産の所有権を取得することができる。
- 3.占有訴権は、占有を奪われた場合のみ行使することができ、妨害された場合には行使できない。
- 4.占有者の費用償還請求権は、占有物の所有者に対してではなく、その物を取得した第三者に対して行使する。
解説
正解
正解は選択肢1です。
民法180条により、占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得します。所有権の有無は要件ではありません。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法180条のとおり、占有権の成立には所持と自己のためにする意思があれば足り、本権(所有権など)は不要です。
選択肢2 → ❌
即時取得(民法192条)は動産にのみ適用され、不動産には適用されません。不動産は登記制度があるためです。
選択肢3 → ❌
占有訴権には、占有回収の訴え(200条)、占有保持の訴え(198条)、占有保全の訴え(199条)の3種類があり、妨害された場合にも行使可能です。
選択肢4 → ❌
費用償還請求権(民法196条)は、占有物の回復者(所有者など本権者)に対して行使します。
背景知識
占有権は、本権(所有権・賃借権など物を支配する正当な権利)の有無に関わらず、事実上の物の支配状態を保護する制度です。これにより社会の秩序が維持されます。占有訴権は、占有が侵害された場合の救済手段で、占有回収・保持・保全の3種類があります。即時取得は、無権利者から動産を譲り受けた善意無過失の者を保護する制度で、不動産には適用されません。占有者は本権者から請求があった場合、必要費・有益費の償還を請求できます。
学習アドバイス
占有権は「事実上の支配を保護する権利」と理解しましょう。本権との違い、即時取得が動産限定であること、占有訴権の3類型が頻出論点です。本権の訴えと占有の訴えは別個に成立する点も重要です。
まとめ
- 占有権は所持と自己のためにする意思で成立
- 即時取得は動産のみで不動産には適用なし
- 占有訴権は回収・保持・保全の3類型