【問69】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|中間利息の控除
民法(債権・契約) 問29/36難易度C(難しい)
問題文
将来において取得すべき利益の損害賠償額算定における中間利息の控除に関する記述として、2020年改正民法のもとで最も適切なものはどれか。
- 1.中間利息の控除は損害賠償額算定に際して必ず行わなければならない
- 2.中間利息の控除は、損害賠償請求権が生じた時点における法定利率により行う(民法417条の2)
- 3.中間利息の控除には固定利率5%が適用される
- 4.中間利息の控除は将来の介護費用の算定には適用されない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
中間利息控除は将来の利益・費用を一時金として支払う場合に適用される算定手法ですが、必ず行うべきというより損害賠償額の公平な算定のためのものです。
選択肢2 → ✅正解
民法417条の2第1項は「将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
旧法時代は実務上年5%が用いられていましたが、改正により法定利率(当初年3%・変動制)に従うこととされました。
選択肢4 → ❌誤り
417条の2第2項は将来の介護費用の損害賠償についても適用される旨を規定しています。
背景知識
中間利息控除は、将来生ずべき逸失利益や介護費用などを一時金として現在価値に引き直す際の調整です。例えば10年後に支払うべき100万円を現在もらう場合、その間の利息分を差し引く必要があります。改正前は判例(最判平17・6・14)で年5%が用いられていましたが、改正民法は法定利率(変動制の年3%)を適用することにより、より実勢に合った算定を可能にしました。交通事故の損害賠償等で実務上重要です。
学習アドバイス
中間利息控除は法定利率の変動制と連動する重要論点です。「請求権発生時点の法定利率」というキーフレーズと、損害保険・損害賠償実務での意義を押さえましょう。
まとめ
- 中間利息控除は損害賠償請求権発生時の法定利率による(417条の2第1項)
- 介護費用にも適用(同条2項)
- 旧実務年5%から法定利率(変動制)への転換