【問68】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|代償請求権
民法(債権・契約) 問28/36難易度C(難しい)
問題文
民法422条の2が定める代償請求権に関する記述として、2020年改正民法のもとで最も適切なものはどれか。
- 1.代償請求権は、履行不能で債務者が得た利益の償還を求める権利である
- 2.代償請求権は、債務者の帰責事由による履行不能の場合に限り認められる
- 3.代償請求権の対象は、目的物の保険金請求権に限定される
- 4.代償請求権は損害賠償請求権と択一的にしか行使できない
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
民法422条の2は「債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償である権利又は利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債務者に対し、その権利の移転又はその利益の償還を請求することができる」と規定しています。
選択肢2 → ❌誤り
422条の2は債務者の帰責事由を要件としていません。双方無責でも代償請求できます。
選択肢3 → ❌誤り
代償請求の対象は保険金請求権だけでなく、損害賠償請求権、不当利得返還請求権なども含まれます。
選択肢4 → ❌誤り
代償請求権は損害の限度で認められ、損害賠償請求権と矛盾するものではありません。両者は調整されます。
背景知識
代償請求権は、判例(最判昭41・12・23)が認めていた法理を改正民法が条文化したものです。例えば建物が火災で焼失した場合、債務者が取得した火災保険金請求権について債権者が償還請求できる仕組みです。これにより履行不能による損失の公平な分配が図られます。「同一の原因により」が要件で、債務者が損害の額の限度でしか義務を負わない点も重要です。
学習アドバイス
代償請求権は改正で明文化された比較的新しい論点です。「同一の原因」「受けた損害の限度」というキーワードを押さえ、保険金請求権を典型例として理解しましょう。
まとめ
- 代償請求権は判例法理を改正民法が明文化(422条の2)
- 帰責事由は要件でない
- 損害の限度で代償(保険金請求権等)の償還を請求可能