【問70】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|履行請求権と強制履行
民法(債権・契約) 問30/36難易度B(標準)
問題文
債権の効力としての履行請求と強制履行に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.債務者が任意に履行をしない場合、債権者は自力で目的を達成しなければならず、国家機関の力を借りることはできない
- 2.強制履行の方法には、直接強制、代替執行、間接強制があり、債権の性質に応じて選択される(民法414条)
- 3.金銭債権でも、債務者の意思に反する強制履行はできない
- 4.強制履行を求めた場合、損害賠償請求は同時には行使できない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
自力救済は原則として禁止されており、国家機関を通じた強制履行(民事執行法による執行)が認められます(414条1項)。
選択肢2 → ✅正解
民法414条1項は「債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
金銭債権は典型的な直接強制の対象であり、預金差押え・不動産競売等が認められます。
選択肢4 → ❌誤り
414条2項は「前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない」と規定しており、損害賠償と強制履行は両立可能です。
背景知識
強制履行は債権者が国家機関の力を借りて債務の内容を実現する制度です。①直接強制(金銭債権・物の引渡債権で対象財産を強制的に給付させる)、②代替執行(第三者に代行させ費用を債務者から取り立てる)、③間接強制(一定の制裁を予告して心理的に履行を促す)の3種類があります。改正民法は旧414条の独自規定を整理し、民事執行法の規律に委ねる構造に統一しました。なすことを目的とする債務(不作為債務含む)には、近年は間接強制も広く認められています。
学習アドバイス
強制履行の3類型(直接・代替・間接)を覚え、債務の性質ごとに適用される強制方法を整理しましょう。損害賠償との併存も重要論点です。
まとめ
- 強制履行の3類型:直接強制・代替執行・間接強制(414条1項)
- 債権の性質に応じて方法を選択
- 損害賠償との両立可能(同条2項)