【問62】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|債務不履行による損害賠償
民法(債権・契約) 問22/36難易度A(易しい)
問題文
債務不履行による損害賠償(民法415条)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.債務不履行があれば、債務者の帰責事由がなくとも損害賠償義務は当然に発生する
- 2.債務者の責めに帰することができない事由による債務不履行は免責される
- 3.債務不履行による損害賠償の範囲は、特別損害も常に含まれる
- 4.債務不履行による損害賠償は、過失相殺の対象とならない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
民法415条1項ただし書は債務者の帰責事由がない場合の免責を規定しています。
選択肢2 → ✅正解
民法415条1項ただし書は「ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」と規定しています。
選択肢3 → ❌誤り
民法416条2項は、特別の事情によって生じた損害(特別損害)は、当事者がその事情を予見すべきであった場合に限り賠償の範囲とすると規定しています。
選択肢4 → ❌誤り
民法418条は「債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める」と規定しており、過失相殺の対象です。
背景知識
2020年改正民法は415条の文言を変更し、「責めに帰すべき事由」を「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由」と明確化しました。これは過失責任主義の維持を確認しつつ、契約類型ごとの帰責事由判断を行う立場を明文化したものです。免責事由の立証責任は債務者が負います。改正民法は損害賠償の範囲(416条)の予見可能性を「予見すべきであった」と客観化しました。
学習アドバイス
415条の改正点(帰責事由の客観化)は頻出論点です。免責事由と立証責任の所在も合わせて押さえましょう。416条の通常損害・特別損害の区別も重要です。
まとめ
- 債務不履行責任は債務者の帰責事由を要する(415条1項)
- 帰責事由なき債務不履行は免責(同条ただし書)
- 過失相殺は損害賠償全般に適用(418条)