【問55】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|委任の解除権
民法(債権・契約) 問15/36難易度B(標準)
問題文
委任契約の解除に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.委任契約は、当事者のいずれからも、いつでも解除することができる(民法651条1項)
- 2.委任契約は、受任者の同意がない限り、委任者から解除することはできない
- 3.委任契約の解除は、委任の本旨に反する場合は、相手方の同意を要する
- 4.委任契約の解除には、原則として6ヶ月の予告期間が必要である
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅正解
民法651条1項は「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」と規定しています。委任の人的信頼関係に基づく特殊性から、解除の自由が認められています。
選択肢2 → ❌誤り
委任者・受任者のどちらからもいつでも解除できます。
選択肢3 → ❌誤り
651条1項に「いつでも」とあり、相手方の同意は不要です。ただし、相手方に不利な時期の解除や受任者の利益を兼ねた委任の解除では、解除者は損害賠償義務を負う場合があります(651条2項)。
選択肢4 → ❌誤り
委任の解除には予告期間の要件はありません。
背景知識
委任契約は当事者間の人的信頼関係を基礎とするため、いつでも解除できる「相互解除権」が認められています(651条1項)。ただし、改正民法は「相手方に不利な時期に委任を解除したとき」「委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く)をも目的とする委任を解除したとき」は、やむを得ない事由がない限り損害賠償義務を負うと定めました(651条2項)。これは委任の自由解除と相手方保護のバランスを取る規定です。
学習アドバイス
委任の解除は「自由解除+損害賠償義務」のセットで覚えてください。改正民法は受任者保護のため651条2項2号を新設した点も重要です。
まとめ
- 委任は当事者双方からいつでも解除可能(651条1項)
- 相手方に不利な時期の解除等は損害賠償義務を負う(651条2項)
- 受任者の利益を兼ねる委任の解除制限が改正で明文化