【問54】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|請負契約の報酬請求権
民法(債権・契約) 問14/36難易度B(標準)
問題文
請負契約における報酬の支払時期に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.請負人は仕事に着手した時点で報酬全額を請求できる
- 2.請負契約の報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に支払うのが原則である(民法633条)
- 3.請負契約の報酬は、仕事完成前であっても請負人がいつでも請求できる
- 4.請負契約の報酬は、契約締結時に必ず前払いされなければならない
解説
正解
正解は選択肢2です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ❌誤り
請負は仕事の完成を目的とする契約であり、着手時点では報酬請求権は発生しません。
選択肢2 → ✅正解
民法633条本文は「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない」と規定しています。物の引渡しを要しない場合は仕事の完了後に支払います(624条1項準用)。
選択肢3 → ❌誤り
報酬請求権は仕事の完成(または633条ただし書の場合は仕事の終了)が要件です。
選択肢4 → ❌誤り
当事者の合意で前払いとすることは可能ですが、633条の原則は引渡し時の同時支払です。
背景知識
請負契約は仕事の完成を目的とし、報酬は完成後に支払うのが原則です(後払原則)。633条は引渡しを要する仕事については引渡しと同時、引渡しを要しない仕事については仕事完了後に報酬を支払うこととしています。2020年改正民法は634条を新設し、注文者の責めに帰すべき事由なく仕事完成不能となった場合や契約解除前の出来形部分について、可分性と利益性を要件に割合的報酬請求を認めました。
学習アドバイス
請負の報酬は「完成・引渡し・同時履行」というキーワードを押さえましょう。改正で新設された634条(割合的報酬請求権)も近年の出題傾向で重要です。
まとめ
- 請負報酬は引渡しと同時に支払うのが原則(633条)
- 仕事完成が報酬請求の前提
- 出来形部分には割合的報酬請求権あり(634条)