【問40】ビジネス実務法務検定3級 練習問題|契約の解除
問題文
契約の解除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.解除は一方の意思表示により契約を遡及的に消滅させる。
- 2.債務不履行による解除には常に債務者の帰責事由が必要である。
- 3.解除権は当事者間で特約しない限り発生しない。
- 4.解除がされても既に給付されたものは返還する必要がない。
解説
正解
正解は選択肢1です。
各選択肢の解説
選択肢1 → ✅
民法540条により解除は相手方への意思表示によって行われ、契約の効力を遡及的に消滅させます。形成権的性質を有し、相手方の同意は不要です。
選択肢2 → ❌
2017年改正により債務不履行による解除には債務者の帰責事由は不要となりました(民法541・542条)。改正前は帰責事由が必要でしたが、改正後は債権者を契約の拘束から解放することが目的とされ帰責事由が不要となっています(ただし債務者の責に帰すべき事由ない場合は損害賠償不可)。
選択肢3 → ❌
解除権には当事者の特約による「約定解除権」のほか、法律の規定による「法定解除権」(民法541・542条等)があります。特約がなくても債務不履行などで法定解除権が発生します。
選択肢4 → ❌
民法545条1項により、解除がされた場合、各当事者は相手方を「原状に復させる義務」(原状回復義務)を負います。既給付物の返還が必要です。
背景知識
解除は契約の効力を遡及的に消滅させる重要な制度です。解除権の発生原因は(1)約定解除権(当事者の特約)、(2)法定解除権(債務不履行による541・542条、その他個別契約の規定)に分かれます。2017年改正により、債務不履行解除の要件から債務者の帰責事由が削除され、債権者を契約の拘束から解放するという機能が前面に出されました。解除には催告解除(541条:相当期間の催告後に履行ない場合)と無催告解除(542条:履行不能・明確な履行拒絶など重大な債務不履行の場合)があります。解除の効果として(1)契約の遡及的消滅、(2)原状回復義務(545条1項)、(3)損害賠償請求権(545条4項、ただし債務者の帰責事由が必要)、(4)第三者保護(545条1項ただし書)が規定されています。第三者保護は登記を備えた第三者に限ると判例が示しています。
学習アドバイス
2017年改正の重要ポイント「解除に帰責事由不要」を必ず押さえましょう。催告解除(541条)と無催告解除(542条)の違い、解除の効果4点(遡及消滅・原状回復・損害賠償・第三者保護)を体系的に覚えてください。原状回復義務(545条1項)、第三者保護(同条ただし書)も頻出です。
まとめ
- 解除は意思表示により遡及的に契約消滅(540条)
- 2017年改正で債務者の帰責事由不要に
- 解除後は原状回復義務が生じる(545条1項)